【12月29日 AFP】マレーシアのナジブ・ラザク(Najib Razak)首相は28日、同国としては過去30年間で最悪となった洪水の16万人を超える被災者を支援するため、5億リンギット(約170億円)の追加拠出を発表した。

 同首相は27日、洪水被害が最悪の同国北東部3州のうちのクランタン(Kelantan)州を視察していた。今回の洪水でこれまでに8人が死亡したと伝えられているが、食料や医薬品もないまま孤立した地域もあり、犠牲者が増えるのではないかという懸念が高まっている。

 同国の副運輸相は28日、「この国はより多くのヘリコプターが絶対に必要だ」と述べ、救助当局は燃料と清浄水の不足が捜索活動を妨げていると指摘した。

 マレーシア北部の広い範囲がこの洪水で壊滅状態になった。経済的に立ち遅れているクランタン州全体では増水により17地域で合わせて約8000人が孤立している。

 上空から見た州都コタバル(Kota Bharu)は広大な泥の湖と化し、ほぼ全域で停電している。地元当局によると新鮮な食料と水がなくなったため、多くの人が略奪に走っているという。

 28日の気象予報によると、マレーシアのほとんどの地域で今後3日間は悪天候に見舞われるという。(c)AFP/Satish Cheney