【12月23日 AFP】オーストラリア南東部ビクトリア(Victoria)州で2009年に起きた大規模な山火事の被災者たちが、電力会社SPオズネット(SP AusNet)などを相手取り起こしていた賠償訴訟で23日、同国の集団訴訟史上で最高額となる4億9400万豪ドル(約480億円)の支払いを裁判所が承認した。

 2009年2月7日に発生した「黒い土曜日(ブラックサタデー)」と呼ばれる山火事では同時多発的に火災が発生し、173人が死亡、2000棟以上の家屋が焼失し、同国史上最悪の災害となった。その中でもキルモアイースト(Kilmore East)で発生した山火事は最も致命的だった。

 キルモアイーストでは119人が死亡し、推定10億豪ドル(約970億円)の損害が出たとして、住民ら数千人はSPオズネットと送電線管理の下請け会社ユーティリティ・サービス・コーポレーション(Utility Services Corporation)、さらに州の持続可能性・環境局を相手取り集団訴訟を起こしていた。オズネットらは今年に入り、住民たちと4億9400万豪ドルの賠償金支払いで合意したが、確定には裁判所の承認を必要としていた。SPオズネットの株式は今年1月まで、シンガポールの電力会社「シンガポール・パワー(Singapore Power)」が過半数を所有していた。(c)AFP