■ターゲットは国内市場

 90~95%の商品はブラジル市場をターゲットにしており、ライセンス売り上げは7000万ドル(約83億4000万円)に上るとされている。

 2倍以上の売り上げを記録した2008年の北京五輪や、1億3000万ドル(約155億円)を売り上げたロンドン五輪に比べれば見劣りはするものの、ムルティニ氏は、異なる市場には異なる戦略があると主張した。

「開催国を基軸に据えています。前例をみても、利益は地元で上がるものです」

 地元へのアプローチに重きを置くことを示すように、交渉中または締結済みのライセンス契約50件のうち、37件は100%ブラジル資本の企業とのものだという。この中で、7社はブラジル国内外から製品を調達する。ムルティニ氏は、「多くのブラジル製品が市場に出ます」と話している。

 リオ五輪では、過去最多のラインアップとなる約1万2000種類の大会関連商品が販売される予定となっており、売り上げの約15%が、総額70億レアル(約3130億円)ともいわれる大会運営費に充てられるという。

 集客が見込める空港やショッピングセンター、ホテルなど150か所に仮設店舗が構えられる予定で、五輪関連商品は6000以上の店舗で販売されることになる。

 すでに大会公式マスコットはファンの心をとらえており、リオ中心街の大会組織本部内にあるショップでは、わずか2日間で関連商品2000個を売り上げたという。(c)AFP/Chris WRIGHT