【12月17日 AFP】銀行のカードをなくして深夜に帰宅できなくなったとき、持ち合わせの最後の数枚のコインをくれた「ホームレスのヒーロー」のために、英国の女子学生が1万6500ポンド(約300万円)以上の寄付金を集めた。

 英セントラル・ランカシャー大学(University of Central Lancashire)の学生のドミニク・ハリソンベンツェン(Dominique Harrison-Bentzen)さんが始めた寄付金のウェブページはインターネットで注目を集め、17日現在、寄付金額は1万6500ポンド以上に達した。

「銀行のカードをなくして持ち合わせのお金が全くなくなった未明に、ホームレス状態の男性が私に近寄ってきて、手持ちの全財産の3ポンド(約550円)を差し出し、タクシー代金にもらっておきなさいと言った」と、ハリソンベンツェンさんは寄付金ページで説明している。

「私はそのお金をもらわなかったけれど、来る日も来る日も世間の無知に直面している男性からそのような優しさを受けたことに、心を打たれた」

 この男性、ロビー(Robbie)さんは、イングランド(England)北西部プレストン(Preston)で7か月前からホームレス状態になっていた。ハリソンベンツェンさんが調べたところ、ロビーさんは親切な人としてすでに周囲で知られていたという。

 ロビーさんへの感謝の表明として、ハリソンベンツェンさんは24時間ホームレス状態で過ごして、ロビーさんの宿泊場所のための寄付を募るプロジェクトを行うことを決めた。支援する人には、ロビーさんがハリソンベンツェンさんに手渡そうとしたのと同じ金額、3ポンドを寄付するよう呼び掛けた。

「みんなの小さな親切心がひとつになって、今年のクリスマスに誰かの人生を変え、安全で暖かく、その人の路上生活を終わらせることができる」とハリソンベンツェンさんは語った。(c)AFP