【12月10日 AFP】尿路感染症により集中治療室に入っていたサッカー元ブラジル代表の名選手ペレ(Pele)氏が9日、サンパウロ(Sao Paulo)市内の病院を退院し、2016年のリオデジャネイロ五輪出場を目指すと冗談を言うなど、その回復ぶりをみせつけた。

 ブラジル代表で黄金時代を築き、W杯制覇を3度経験している74歳のペレ氏は、ポルトガル語で「3つの心臓」を意味する出身地のトレス・コラソンエス(Tres Coracoes)を引き合いに出し、「私は3つの心臓を持つ男だから、死への不安はなかった」と語った。

 明らかに体重を落とし、足元がおぼつかない様子ながらも笑顔をみせたペレ氏は、集まった報道陣に対し、2016年のリオデジャネイロ五輪出場を目指せるほど元気になったと語っている。

「五輪に出場する準備はできている。五輪には3人のオーバーエイジが出場することができるだろう。その1人が私だ」

 11月上旬に腎臓結石を取り除く手術を受けたものの、それから10日後に再入院を余儀なくされたペレ氏は、自身を担当した医療チームに感謝の意を述べたあと、集中治療室に入った直後は「不安があった」ことを認めている。

「本当に不安だった。感染症にかかってしまい、自身の記念館で予定されていたイベントに出席できなかったけれど、現在は健康であることを神に感謝している」

「中国やパキスタン、そして欧州全土から私を心配するメッセージが届けられた。私の健康をこれだけ多くの人が気にしているなんて知らなかったよ」

(c)AFP