【12月8日 AFP】英ロンドン(London)のヒースロー(Heathrow)空港で今年7月、旅客機と無人機との異常接近(ニアミス)が起きていたことが、同国メディアの報道により明らかになった。

 英日曜紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が伝えた英航空安全当局の報告書によると、7月22日、高度213メートルを飛行中だったエアバス(Airbus)A320型機に無人機が異常接近した。報告書の全内容は12日に公表される予定という。A320には最大で180人の乗客が搭乗可能。

 異常接近の事実は、店頭で購入できる無人機が民間飛行便に与える危険性についての懸念が高まる中で明らかになった。今回の事例は、英国民間航空局の異常接近調査委員会(UK Airprox BoardUKAB)によって重大性が5段階で最も高い「A」に位置付けられる見通しで、これは「深刻な衝突の危険」があったことを意味する。

 英国の家電業者によると、無人機は今年のクリスマスプレゼントの人気商品となる見込みで、安いものでは30ポンド(約5700円)で購入できる。英国航空操縦士協会(British Airline Pilots' AssociationBALPA)は、旅客機や貨物機と同じ空域で無人機を飛ばすのは、パイロットと同等の訓練を受けた操縦者に限定すべきだと主張している。

 民間航空局(Civil Aviation AuthorityCAA)は、データ収集または監視のために使用する無人機を混雑した地域や人と建物の近くで飛ばす場合、操縦者は事前に許可を取得しなければならないと定めている。一方、重さ20キロ未満の他のタイプの無人機は、おおむね航空規制の対象外となっている。(c)AFP