【11月7日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)のジェンソン・バトン(Jenson Button)は6日、今季終了後にチームを離脱する用意があることを示唆した。

 2015年シーズンのシートが発表されていないマクラーレンでは、2009年シーズンの年間王者バトンと同僚のケビン・マグヌッセン(Kevin Magnussen)の去就が不透明となっており、バトンはチームからのオファーを待たずに自分で決断を下す準備に入っていることを明らかにした。

 F1で総合優勝2回を誇り、今季終了後にフェラーリ(Ferrari)を去るとみられているフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)は、2007年シーズンに在籍し、関係悪化の末に離脱したマクラーレンへの移籍が濃厚とされているが、その結論は依然としてなぞに包まれている。

 第18戦ブラジルGP(Brazilian Grand Prix 2014)が開催されるインテルラゴス(Interlagos)で、バトンは報道陣に対し、マクラーレンでの去就についての質問には答えられないと述べた。

「これまで多くのドライバーが置かれてきた状況だけれど、契約更新が不透明なのであれば、別の挑戦や可能性に目を向けることになる」

「それはレースなのか、または別のスポーツなのか、あるいはまったく違うことかもしれないけれど、新たな挑戦にワクワクしているよ」

「楽しみはたくさんあるし、多くのアイデアを持っているけれど、それは来年、もしくは再来年なのかは分からない。F1やモータースポーツは、自分の人生にとって大分部を占めているから、やめるつもりはないし、これからも続けていく」

「今はどうなるか分からないけれど、このスポーツをやめることを考えてはいない。どんな形であろうと、このスポーツに関わっていくし、今後がすごく楽しみだよ」

 正当に扱われていないという声が上がるなか、状況と前向きに向きあっているバトンは、「これがF1であり、このスポーツに多くの失望はつきものだ」と語った。 

 その一方でバトンは、「例えば、速いマシンがない場合がある。僕は世界王者であり、もっとレースで勝ちたい。だから、速いマシンがなくて失望することは、何よりもつらいことなんだ」とつけ加えた。

 バトンはまた、マクラーレンが2015年シーズンのシートをいつ決断しようと関係ないと断言した。

「マクラーレンは、いつか決断を迫られるだろう。個人的には、それが2週間後でも、そうでなくても構わないし、たいして違いはない。だから自分にとって問題ではない」

 さらにバトンは、「みんな、いつも引退を思い浮かべるけど、そんなつもりはない。来年どうなっていようと、僕は引退しないよ」と強調した。

「僕はレーサーだ。世界王者の経験もあるし、モータースポーツの世界で、もっと多くの事を成し遂げたい。F1最後のレースになる時は、友達や家族とお酒を酌み交わすだろうね」

「どうなるとしても、キャリアについて大きな決断をする必要性は感じていない」

 2000年にF1初参戦を果たした34歳のバトンは、これまで通算266レースに出場し、優勝15回、ポールポジション8回、そして2009シーズンには世界王者に輝いている。(c)AFP