【11月5日 AFP】米ニューヨーク(New York)市ブルックリン(Brooklyn)地区で3日夜、市内最大のレコード店「ラフ・トレード(Rough Trade)」でのパフォーマンスを終え、店舗を去ろうとしていた米ラップ歌手のフレディー・ギブス(Freddie Gibbs)さんを何者かが銃撃し、ギブスさんの同伴者2人が負傷した。ギブスさんにけがはなかった。警察やメディアが4日、伝えた。

 警察関係者によると、同伴者2人はギブスさんと同乗していた車内でそれぞれ左脚と右手に銃弾を受け、病院に搬送された。捜査は現在も継続中で、今のところ逮捕者は出ていないという。

 米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)は、銃撃直後のギブスさんを取材した記者の話として、ギブスさんが事件を1996年に米ラスベガス(Las Vegas)で起きたラップ歌手、2パック(2Pac、本名:Tupac Shakur)さん殺害事件になぞらえる発言をしたと伝えている。ギブスさんは「やつらは2パックを殺そうとし、俺も殺そうとした」と話したが、考えられる犯人の動機については語らなかったという。同紙が伝えたところによると、銃撃犯は同日夜ずっとギブスさんの後をつけ、ギブスさんを取り巻く人たちに紛れ込もうとしていたという。

 ギブスさんは、出身地の米インディアナ(Indiana)州ゲーリー(Gary)の街中で起きる犯罪や麻薬取引などについて歌い、高い評価を受けている。ゲーリーは音楽ファンの間ではジャクソン5(Jackson Five)を生んだ町として知られているが、市内の製鉄業が勢いを失うのにともなって衰退した。(c)AFP