【10月29日 AFP】元サッカーフランス代表監督のレイモン・ドメネク(Raymond Domenech)氏が、29日に発売される自身の回顧録「Mon dico passione du foot(私の情熱的サッカー辞典)」の中で、チェルシー(Chelsea)のジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督、元フランス代表のフランク・リベリ(Franck Ribery)、ニコラ・アネルカ(Nicolas Anelka)ら選手を批判した。

 ドメネク氏は、通訳として指導者のキャリアをスタートさせたモウリーニョ監督をばかにするように、「こういう通訳がいるから困る。自分でその内容を言ったのだと勘違いし始めるんだ」と述べている。

 アネルカを「ジキルとハイド」のような性格と表現したドメネク氏だが、リベリに至っては「南アフリカ大会以降、愚かな行動を含む自身のわがままにチームを巻き込んだ。でも、先生はそれ以来ご機嫌ななめだ。FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)を受賞したかったみたいだよ」とこき下ろした。

 ドメネク氏は、フランス代表の伝説とあがめられている選手についてもやり玉に挙げたが、ジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏よりも、ティエリ・アンリ(Thierry Henry)を高く評価しているという。

 2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)欧州プレーオフのアイルランド戦で、ハンドを犯したアンリが自身のイメージを傷つける代わりにチームを守ったのに対し、2006年W杯ドイツ大会決勝で、ジダン氏がイタリアのマルコ・マテラッツィ(Marco Materazzi)に頭突きしたことは、フランスの名を汚しただけだと一蹴した。

 ドメネク氏は、アンリが「フランスチームの利益のために、自身のイメージを犠牲にした」のに対し、ジダン氏は「自身のプライドを守るために、チームのチャンスを無駄にした」と表現している。

 また、現在コメンテーターとして活躍する元選手たちについては「自分たちにも厳しかったんだろうね」と皮肉めいた評価を下した。

 ドメネク氏は最後に、リベリとカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)が関わった、いわゆる「ザヒア買春疑惑」で唯一得をしたのは、一躍セレブの仲間入りをした元コールガールのザヒア・デハール(Zahia Dehar)さんだけだと切り捨てた。(c)AFP