【10月28日 AFP】米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)は27日、エボラ出血熱が猛威を振るう西アフリカからの帰国・入国者のうち、感染リスクの高い人を「積極的な監視」の対象とすべきとする新指針を発表した。一方で、一部の州で導入され批判を呼んでいた厳格な隔離措置は推奨しない内容となっている。

 現行のエボラ対策を引き上げたCDCの新指針は、エボラ感染の「高リスク者」に分類された人について「積極的な直接監視」を行うとしている。これには、21日間にわたる毎日の検温や、保健当局者による健康状態や行動予定のチェック、ウイルスの潜伏期間に相当する間の移動や公的活動の制限が含まれる。

「高リスク者」には、エボラ出血熱患者の治療の際に注射針が肌に刺さったり、感染者の目や傷口から出た体液に触れたりした医療従事者や、防護服を着用せずに感染者の体液を扱った人、エボラ患者の遺体に触れた人、患者を看護していた家族らが含まれる。

 CDCには新指針を施行する権限はなく、指針をどのように採用し施行するかは地方自治体や州の保健当局の判断に任せるとしている。

 ニュージャージー(New Jersey)州では先週、西アフリカでエボラ患者の治療にあたっていた女性看護師に対し強制隔離措置がとられ、大きな批判を呼んでいた。同様にニューヨーク(New York)州も厳格な隔離措置の導入を発表していたが、バラク・オバマ(Barack Obama)政権の圧力を受けてその内容は緩和されていた。

 CDCのトム・フリーデン(Tom Frieden)所長は「さまざまな場所で、スティグマを助長したり、誤った印象を与えたりする恐れのある方針がとられていることを懸念している。体調を崩していない人からはエボラは感染しない」と述べている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN