【10月28日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマルシャ(Marussia F1 Team)は27日、管財人の管理下に置かれ、新たな買い主を模索する時間との闘いに直面することになった。

 マルシャは、エースドライバーのジュール・ビアンキ(Jules Bianchi)が第15戦日本GP(Japan Grand Prix 2014)でクラッシュし、命を懸けた闘いに瀕している中、管財人が新たな資金調達先を探すことなり、第17戦米国GP(United States Grand Prix 2014)に出走できない見込みとなっている。

 F1では、ケータハム(Caterham F1 Team)も24日に管財人の統制下に置かれたばかりで、新たなオーナーを模索する間、同チームは米テキサス(Texas)州オースティン(Austin)で開催される米国GPに続き、第18戦ブラジルGP(Brazilian Grand Prix 2014)も欠場するとみられている。

 マルシャとケータハムは、2010年にF1に参戦したが、新たなエンジン技術開発の資金面で大手チームに後れを取っていた。

 マルシャの管財人となったFRPアドバイザリー(FRP Advisory)は、マルシャの現株主が「必要なレベルの資金提供が不可能」になったことを明かした。

 英オックスフォード(Oxford)州バンベリー(Banbury)に拠点を置くマルシャの200人近くのスタッフは、10月末までの給与が支払われたものの、今後についての確約は一切受けられていない。

 FRPアドバイザリーの共同管財人であるジェフ・ローリー(Geoff Rowley)氏は、「この短期間の運営で、マルシャは著しい発展を遂げてきた。その成果として、現在のF1におけるコンストラクターズ選手権で2ポイントを獲得するなどの実績も挙げており、これからもF1チームとして存続し、運営していくための多大な継続的投資が必要である」と述べた。

 管財人は、正式名称マノー・グランプリ・レーシング・リミテッド(Manor Grand Prix Racing Limited)として知られるマルシャが、新たな資本先を探す間も運営を続けていくとしている。(c)AFP