【10月24日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するケータハム(Caterham F1 Team)の所有者をめぐる問題というチームの今後を左右する危機に、FOA(Formula One Administration)のバーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)会長が手を差し伸べた。

 新オーナーと前最高責任者のトニー・フェルナンデス(Tony Fernandes)氏が公に舌戦を繰り広げており、ケータハムは11月2日に決勝が行われる第17戦米国GP(United States Grand Prix 2014)での出走が危ぶまれている。

 エクレストン会長は英国放送協会(BBC)に対し、「困難に陥った誰に対しても行うように、われわれのできる形で支援しようとしている。知っているのは聞かされたことだけ。すべてが真実かどうかは確証はない。本当のことを口にするにはあまりにも複雑すぎる」と語った。

 23日にフェルナンデス氏は、6月にチームの実権を握ったスイスと中東の投資家グループが義務を果たしていないと非難した。前日には、投資家グループの代表であるエンゲーベスト(Engavest)が、フェルナンデス氏に対して法的措置も辞さないとしていた。エンゲーベストは、法的にオーナーと承認される株式の譲渡がなされておらず、結果フェルナンデス氏が再びチームを仕切っていると主張していた。

 しかし、フェルナンデス氏はこう反論している。

 共同会長を務めるケータハム・グループ(Caterham Group)の代表として発表した声明の中で同氏は、「2014年6月、共同株主とともにケータハムF1チームの私の株式を売却することを決断した。エンゲーベストという名のスイスの会社を信用して、エンゲーベストがスタッフを含めた現在と今後の債権者への支払いに着手したことに基づき、株式の売却に合意した」

「スタッフと債権者に対する継続した支払いは、彼らがこれを順守しない限り株式が新たな買い手に譲渡しないとしていたため、私にとって非常に大事なことだった。残念ながら、エンゲーベストは合意した条件を何ら満たすことはできず、(F1チームを運営する)ケータハム・スポーツ・リミテッド(Caterham Sports Limited)は、銀行から管財人を当てられた」

「われわれとエンゲーベストとの契約は至極明確だ。債権者への支払いを含めた一定の条件が満たされない限り、彼らに対し株式を譲渡する法的義務はない。この条件はこれまで満たされていない」

「弁護士は数回にわたりエンゲーベストに対して条件に従うよう求めたが、それはなされなかった。買収するのであれば、その代金は支払わなければならない。彼らはその約束を破り、今、悲しいことに、レース活動ができなければ、ケータハムF1チームの従業員やファンが損害を被ることになる」

「そうなることなく、解決策が見つかることを心から願う」