【10月10日 AFP】オランダの当局者は、ウクライナで今年7月に墜落したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便の乗客の1人が酸素マスクを装着した状態で死亡していたと明らかにした。同便が墜落することを予期した乗客がいた可能性が浮上している。

 オランダのフランス・ティメルマンス(Frans Timmermans)外相は8日、国営テレビの番組で「酸素マスクを装着した状態で見つかった人がいたということは、装着する時間があったということだ」と述べた。またオランダの検察当局も9日、首に酸素マスクがかかった状態で発見された遺体があり、調査していると明らかにした。検察当局はインターネット上に公開した遺族向けの文書の中で、「オランダ法医学研究所(Netherlands Forensic Institute)は、マスクに指紋や唾液、DNAが付着していないか検査したが、これまでのところ何の結果も得られていない」としている。

 MH17便の墜落では乗客乗員298人(うちオランダ人193人)全員が死亡したが、他に酸素マスクを付けていた遺体はなかったという。

 MH17便は7月17日、内戦状態となっているウクライナ東部で、同国の反政府勢力が掌握した地域の上空を飛行中に撃墜された。オランダが主導する墜落事故調査チームの第1次報告によると、同機が地対空ミサイルで撃墜されたという説を支持する証拠が見つかっている。(c)AFP