【9月14日 AFP】フォーミュラE(Formula E)世界選手権は13日、中国・北京(Beijing)で開幕戦が行われ、最終周までトップを走っていたeダムス・ルノー(e.dams-Renault Formula E Team)のニコラ・プロスト(Nicolas Prost)が、最終コーナーでヴェンチュリー(Venturi Formula E Team)のニック・ハイドフェルド(Nick Heidfeld)に激しく接触し、フェンスに直撃させた結果、開幕戦の軍配はアウディ・スポーツABT(Audi Sport ABT Formula E Team)のルーカス・ディ・グラッシ(Lucas di Grassi)に上がった。

 フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で総合優勝4回を誇るアラン・プロスト(Alain Prost)氏を父に持つニコラ・プロストは、ポールポジションからスタートし、最終周までトップを競っていたが、ゴール目前にしてハイドフェルドのマシンに当たると、このマシンが空中に放り出される大クラッシュとなった。

 ハイドフェルドはマシンの残骸からはい出ると、プロストへ抗議に向かったが、プロスト自身は無実を主張しているようだった。

 プロストはレース後、AFPに対し「レース終盤に彼が自殺行為をするなんて予想できるはずがない」とすると、「僕の勝利は盗まれたも同然だ。悲しいことだよ」と話した。

 ハリウッド俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)がバックアップするヴェンチュリーのドライバーとして参戦したハイドフェルドは、少しでも順位を上げようとプロストに接近したが、最後はクラッシュによりディ・グラッシに優勝を譲った。

 ディ・グラッシは、「彼らがいなくなったことに気付いたとき、僕は思ったよ。『よし、夢がかなった』とね」と話した。

「最後は僕が独走でレースを制したが、優勝できて本当に本当にうれしい」

「僕はラッキーだったけど、運も実力のうちだからね」

 アンドレッティ(Andretti Formula E)のフランク・モンタニー(Franck Montagny)が2位でフィニッシュし、英国の実業家リチャード・ブランソン(Richard Branson)氏が支援するヴァージン・レーシング(Virgin Racing Formula E Team)のサム・バード(Sam Bird)が3位に入った。

 アイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏のおいであるブルーノ・セナ(Bruno Senna)は、マヒンドラ・レーシング(Mahindra Racing Formula E Team)で参戦していたが、1周目で他のマシンと接触し左前のサスペンションがダメージを受けると、リタイアを余儀なくされた。

 セナのマシンには、予選でもバッテリーに不具合が生じており、決勝でも19番手でのスタートを強いられていた。(c)AFP/Neil CONNOR