■追加免疫の接種で効果は持続

 研究チームは今回の実験で、さまざまな用量のChAd3ワクチンを少数グループのサルに投与。その後に、免疫のない個体では致死量に相当する量のエボラウイルスに接触させた。このうちの一部のサルには追加免疫ワクチンを接種したという。

 研究チームの報告によると、1回のワクチン接種を受けたサル4匹は、5週間後にエボラウイルスにさらされても感染しなかったとされる。

 予防効果は時間がたつにつれて弱まり、10か月後にはエボラに感染していないサルは4匹中2匹だけだった。

 一方、最初のワクチン1回と8週間後に追加免疫を接種したサル4匹は、最初の接種から10か月後でも感染から完全に保護されていたと研究チームは明らかにした。

 追加免疫の接種では、水痘ウイルスという異なるベクターを用いてエボラウイルスの遺伝物質を導入した。

 人間での初期臨床試験は、3段階に分けて行われる治験プロセスの「フェーズ1」となる。

 フェーズ1の臨床試験は、エボラウイルスに感染していない健康な成人を対象に、ワクチンの「安全性」および十分な免疫反応を誘発するだけの「効果」が得られるかを確認するために実施される。(c)AFP