【9月3日 AFP】8月に行われた14-15イングランド・プレミアリーグのウェストハム(West Ham)対トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)戦で、ピッチ内に乱入してずうずうしくもFKを蹴ったサッカーファンが、305ポンド(約5万3000円)の罰金を科された。

 イングランド南東部ケント(Kent)州出身のジョーダン・ダン(Jordan Dunn)被告(22)はこの試合の後半、トッテナムのクリスティアン・エリクセン(Christian Eriksen)がFKを蹴ろうとした直前にウェストハムの本拠地アップトン・パーク(Upton Park)のピッチに乱入し、ネット上で悪評を得た。

 エリクセンが気付かぬ間に被告はボールに近づいてカーブをかけたシュートを放ったが、これはウェストハムのスペイン人GKアドリアン(Adrian)に難なくセーブされた。

 被告は警備員の追走から逃げ続けたが、はやし立てる観客の声援の中、最後は御用になった。

 ロンドン(London)東部のテムズ治安判事裁判所(Thames Magistrates' Court)に出廷した被告は「魔が差した」と謝罪し、罪状を認めた。被告は今後の試合観戦禁止を免れている。

 ギャレス・ブランストン(Gareth Branston)判事は、元マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のデビッド・ベッカム(David Beckham)氏が見事にカーブをかけたFKから得点を決めるところから名付けられた映画、『ベッカムに恋して(Bend It Like Beckham、直訳では「ベッカムのように曲げて」)』を引き合いに出し、ユーモアを交えて語った。

「サッカーの試合では時に若い男性がピッチに入り込む。それがあなただった。そのためにお金を払っているわけではない」

「あなたは(FKを)蹴った。率直に言って、ボールのところに行くまでにあなたは少し疲れていたのではないだろうか。厳密に必要な距離よりも長く走ったのだから」

「酒を買っていて、足の運びは少しばかりおぼついていなかったが、言葉を借りればあなたはベッカムのように曲げていた」

「残念なことに、ベッカムよりも速度は30マイル(50キロ)遅かったが」

(c)AFP