【7月21日 AFP】2012年に全世界で計4400万人だった肥満児と過体重児が今後急増し、2025年には計7500万人に達する恐れがあるとの調査報告を18日、世界保健機関(WHO)が発表した。

 WHOによると、肥満児と過体重児合わせて全世界で3100万人だった1990年以降、2012年までにアフリカだけでもその数は400万人から1000万人に増加した。今後、増加のペースはさらに加速するという。

 WHOの小児肥満撲滅委員会(Commission on Ending Childhood Obesity)の共同委員長を務めるピーター・グラックマン(Peter Gluckman)氏は、スイス・ジュネーブ(Geneva)で記者団に対し「子どもの肥満は、現在および将来にとって重要な健康問題の一つだ」と語った。15人の委員からなる同委員会はWHOが6月に新たに設置したもので18日、初会合を終えた。

 過体重の子どもは、糖尿病やがんなどの重い病気を発症する可能性が高いが、今すぐに行動を起こすことで将来、医療制度にかかる多大な負担を回避できるかもしれないとグラックマン氏は指摘する。

 同委員会の使命に関するWHOの文書は「社会科学者、公衆衛生専門家、臨床科学者、経済学者などが一丸となり、入手可能な最良の証拠を組み合わせて一貫性のある計画を策定する予定だ」と述べている。

 また同委員会は、ジュネーブで年1回開かれるWHOの最高決定機関、世界保健機関年次総会(World Health Assembly)で発表される報告書の作成を義務付けられている。(c)AFP