【7月17日 AFP】日本発の世界的人気キャラクター「ハローキティ(Hello Kitty)」は今年、40回目のバースデーを迎える。新たなライバルたちも出現しているが「カワイイ」の元祖「キティちゃん」は誰にも負けないと、ハローキティの3代目デザイナー、山口裕子(Yuko Yamaguchi)さんは語る。

 香港で16日に始まった「香港ブックフェア(Hong Kong Book Fair)」で講演した山口さんは、ハローキティを思わせるイチゴ柄のドレス姿だ。赤褐色に染めた髪は二つのお団子にまとめ、その片方にハローキティと同じ大きな蝶リボンをつけている。

 新たな時代の入口に立つハローキティは今、ライバルキャラクターたちとの激しい競争に直面している。最近では携帯端末向けメッセージングアプリ「LINE(ライン)」の人気マスコット、クマとウサギのキャラクター「ブラウン&コニー(Brown and Cony)」がアジアで大旋風を巻き起こすなど、最先端技術を基盤としたライバルたちがハローキティに挑んでいるのだ。

 だが山口さんは、デジタル時代であろうとハローキティは巧みに歳を重ねていけると自信たっぷりだ。様々なキャラクターが登場しては消えていくが、世界の変化に適応し続けられるのはハローキティだけと山口さんは確信している。

 楕円形の顔をした白い子ネコ、ハローキティが初めて日本に登場したのは1974年。キャラクターとして小銭入れに描かれた。以来、ファン層は世界に拡大し続け、今ではハンドバッグからアダルトグッズまで、ありとあらゆるもののデザインにハローキティが取り入れられている。

 ハローキティの「肖像権」を所有するサンリオ(Sanrio)のウェブサイトによると、同社の小売売上高は毎年50億ドル(約5000億円)を超えている。その筆頭ブランドがハローキティだ。

 1980年代からハローキティのデザイナーを務める山口さんは、自身をハローキティの「親友」と位置付ける。彼女によれば、ハローキティは積極的でオープンで、未来に向き合う姿勢を持った性格だそうだ。

 一方、愛らしさの象徴、ハローキティへの攻撃も少なくはない。ハローキティをけなす目的で作られたブログや、ハローキティをホラー映画のキャラクターに見立てたパロディ動画まで存在する。

 それでも山口さんは、ハローキティの魅力は揺るがないと信じている。既にハローキティのファンは3世代にわたっており、この先も同じようにファンが増えてハローキティが家族全員に愛してもらえればと願っている。

 年内には、10月末に開かれるロサンゼルスでは初めてのファン・イベントを皮切りに、ハローキティ40周年の記念イベントが年末まで予定されている。(c)AFP