【7月7日 AFP】サッカー大国同士の激突となったW杯ブラジル大会(2014 World Cup)準決勝は8日、ドイツ代表とブラジル代表が、13日の決勝進出をかけてベロオリゾンテ(Belo Horizonte)で対戦する。

 ヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督が率いるドイツは、2002年の日韓大会決勝の雪辱を狙っている。一方、激しい当たりを武器とするブラジルは、負傷離脱したネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)のためにも地元で優勝しようと意気込んでいる。

 マラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)で6度目のW杯制覇を達成するという夢の実現を目指すブラジルは、司令塔のネイマールのほか、主将のチアゴ・シウバ(Thiago Silva)を出場停止で欠くため、先発の再考を強いられている。

 ブラジルは激しい肉弾戦となった4日のコロンビア戦で、22歳のネイマールは腰椎を骨折する悲運に見舞われ、ブラジル中が悲しみに暮れたが、ドイツもネイマールのいるブラジルと対戦したかったと嘆いている。

 ドイツのバスティアン・シュバインシュタイガー(Bastian Schweinsteiger)は、「いつだって、ベストの選手がそろった相手と対戦する方が良いに決まっている。だけどあれが、ネイマールのためにタイトルをと、ブラジルを結束させるだろう」と語った。

 コロンビア戦でハメス・ロドリゲス(James Rodriguez)を激しく削っていたブラジルだが、やられたらやり返すとばかりにフアン・スニガ(Juan Zuniga)がネイマールにタックルを見舞うと、セレソン(ブラジル代表)のスターは病院送りにされ、その代償を支払わされた。

 ブラジルのウィリアン(Willian Borges da Silva)は、「ネイマールはうちの攻撃の起点だ。どんな試合でも自分で決められる選手で、だから彼抜きで戦う試合は難しいものになると思う」と話した。

「自分たちの特徴は分かっている。ネイマールを失ったことは、みんなすごく悲しんでいるけれど、いろんなことがあったおかげで僕らは前よりも強くなったし、まだ夢を追い続けることはできる」

 ドイツ戦でネイマールのポジションに入るのは、チェルシー(Chelsea)に所属するウィリアンか、ベルナルジ(Bernard Anicio Caldeira Duarte)のどちらかだとみられている。

 一方、ドイツのシュバインシュタイガーは、すでに心理戦のキックオフの笛を吹いており、セレソンのプレーから目を離さないよう、審判団に訴えている。ここ2試合で、ブラジルは合計59個のファウルを犯し、ドイツの29個を大きく上回っている。

 シュバインシュタイガーは、「今大会のブラジルは、かつてのような魔法使いの集まりじゃない。チームは変わり、これがプレースタイルになった。激しい当たりは間違いなく向こうのサッカーの特徴だから、僕たちも主審も気をつけておく必要がある」と語った。