【6月25日 AFP】米国小児科学会(American Academy of PediatricsAAP)は24日、スマートフォン(多機能携帯電話)やモニター画面の時代に言語能力を高めるために、子どもが乳児のうちに「読み聞かせ」を始めるよう親に呼び掛けるガイドラインを発表した。

 小児科医らは長年、子どもへの読み聞かせを奨励してきたが、今回のガイドラインは、生まれた年から幼稚園に入るまで子どもに日常的に読み聞かせをすることについて医師らが両親と話し合う必要性を示したAAP初の公式方針となっている。

 さらに同ガイドラインは、貧困および勤労者世帯の子どもに本を無償で配布することで、困窮する世帯の負担を軽減するよう、医師らと政策立案者らに対して求めている。

 幼児と一緒に読書をすることは「脳の発達の最適パターンを刺激し、子どもの発育の重要な時期に親子関係を強化する。これにより、言語、識字、社会性・感情性という生涯にわたるスキルが構築される」とAAPのガイドラインは述べている。

 読書に関しては経済的な階層間で明確な格差があり、日常的に読み聞かせを受けている子どもは貧困層では3人に1人しかおらず、結果として学齢に達する際に「学習に著しく不利な状況」が生じていることが調査で明らかになっている、とAAPは付け加えている。

 2011~2012年に行われた調査によると、富裕層の家庭ですら必ずしも読書が習慣化しているわけではなく、貧困線の4倍の所得がある家庭でのうち、誕生から5歳まで子どもに読み聞かせをしたのは全体の6割だという。