【6月16日 AFP】シリア問題に関する国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)の合同特別代表を先月辞任したラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)氏は15日、AFPのインタビューに応じ、イラクでイスラム武装勢力が攻勢を強めた直接的な原因は、隣国シリアで起きている内戦に対する国際社会の無関心だとの見解を表明した。

 ブラヒミ氏は「これは周知の法則。(シリアで起きている)この類いの紛争は、一国内にとどめておくことは不可能だ」と述べた上で、国際社会は「残念ながらシリア問題を軽視し、解決に向けた取り組みを行わなかった。これがその結果だ」と非難した。

 また、自身が昨年11月の国連安全保障理事会(UN Security Council)で、現在イラクでの武力闘争を率いているイスラム教スンニ派の武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」について、「イラクでの活動規模はシリアの10倍」と指摘したことを強調。

 さらに「同勢力のイラクでの行為の背景には、シーア派とスンニ派の間の内紛がある」とした上で、これはイラクでの少数派のスンニ派コミュニティーが「同勢力を支援している」可能性が高いことを意味していると指摘。スンニ派がISILを支援する理由として、「彼ら(ISIL)が過激派だからではなく、『敵の敵は友人』だからだ」と説明した。