【6月13日 AFP】12日開幕したサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で、開幕戦のブラジル対クロアチアの試合を観戦にサンパウロ(Sao Paulo)のスタジアムを訪れたジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領が、スタンドを埋めた大観衆から下品な言葉で罵られる一幕があった。

 開幕戦のキックオフ直前、ルセフ大統領はスタジアムの観客たちから「エイ、ジルマ、バイ・トマール・ノ・クーロ!(ジルマのくそったれ)」というやじの大合唱を受けた。

 10月の大統領選での再選を目指すルセフ大統領は、低迷する経済と110億ドル(約1兆1000億円)にも上るW杯開催費をめぐって国民の間に広がる不満を食い止めようと懸命になっている。特に巨額のW杯開催費については、教育や医療、住宅、インフラなどの整備を優先するべきだと批判が強く、全土で抗議デモの波が起きている。

 開幕前日も、開幕戦会場のアレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)に近づこうとした過激なデモ隊に対し、警官隊が催涙弾や威嚇用手投げ弾、ゴム弾などを使用する衝突があった。

 開幕戦はルセフ大統領など各国の元首12人が観戦。その姿は試合開始前、スタジアムの大スクリーンに映し出された。(c)AFP