■ネイマールがチームを救う勝ち越し弾

 迎えた後半は両チームともにプレーが激しくなり、どちらもリズムを引き寄せることができなかった。

 これを見て、前日に「これはわれわれのW杯だ」と宣言し、自ら重圧を大きくしていたルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督がフッキ(Hulk)に代えてベルナルジ(Bernard Anicio Caldeira Duarte)を投入すると、その直後にフレッジがPKを獲得し、クロアチアを激高させた。ロブレンにとっては厳しい判定となった。

 迎えたPKで、ネイマールはプレティコサにシュートを手に当てられながらもゴールを決めたが、スタンドから見つめるジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領が歓喜すると、観衆は怒りの矛先を大統領へ向けた。

 ブラジルでは、不安定な国内経済と、過去最高のW杯開催費用110億ドル(約1兆1000億円)への不満が広がっており、大統領はその解消に苦心している。

 その後は残り時間が少なくなる中、ブラジルが何度か迎えたピンチをGKジュリオ・セザール(Julio Cesar)のセービングでしのいだ直後、オスカルが勝利に華を添える3得点目を決め、観客を満足させ帰路につかせた(c)AFP/John WEAVER