【6月9日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2014)は8日、男子シングルス決勝が行われ、大会第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が3-6、7-5、6-2、6-4で第2シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を下し、通算9度目の優勝を飾った。

 世界ランク1位で28歳のナダルは、史上初の全仏5連覇を果たしたと同時に、ローラン・ギャロス・スタジアム(Stade Roland Garros)での戦績を66勝1敗に伸ばしている。

 四大大会(グランドスラム)14度目のタイトルを獲得したナダルは、ピート・サンプラス(Pete Sampras)氏の記録と並び、4歳上のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が保持するメジャー史上最多記録にもあと3勝と迫っている。

 2012年大会(French Open 2012)で準優勝に輝いた世界ランク2位のジョコビッチにとっては、史上8人目となる生涯グランドスラム達成に唯一欠落する全仏のタイトルを今回も逃すという残酷な結果に終わった。

 ナダルは、「毎分毎秒が重要だった。すべてのポイントに大変な努力が必要だった」と試合を振り返っている。

「ノバクとの対戦はいつでも大きな挑戦で、実際に最近の4試合では彼に負けている。チャンスはすべてものにしなければならない。自分の限界までプレーする必要があったからね。ノバクには申し訳ないと思う。優勝するに値する選手だと思うし、彼ならきっとやってくれるよ」

「僕にとっては、信じられないような、感情が高まる瞬間だ。腰の故障を抱えて臨んだ全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2014)の決勝には、敗れてしまった。今日のテニスはオーストラリアでの出来事を思い起こさせた」

 ナダルとの通算42回目の直接対決で、ジョコビッチは先に試合の主導権を握る。コート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)の気温は30度近くに達し、うだるような暑さの中でもジョコビッチは集中力を切らさなかった。

 しかし、グランドスラムでの決勝はこれが13度目のジョコビッチに対し、20度目と場慣れしているナダルは、時間が経つにつれリズムをつかみ、ここ最近の4連敗に終止符を打つ。

 3時間31分に及んだ試合は、観客の悲鳴とともに、ジョコビッチのダブルフォールトで幕を閉じる後味の悪い終わり方になった。(c)AFP/Dave JAMES