【4月15日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するフェラーリ(Ferrari)のステファノ・ドメニカーリ(Stefano Domenicali)代表が14日、厳しいシーズン開幕を受け、辞任を発表した。

 辞職を発表するフェラーリの声明文で48歳のドメニカーリ代表は、「大きな変革が必要な時期だ」と述べた。

 2008年に国際自動車連盟(Federation Internationale de l'AutomobileFIA)の現会長ジャン・トッド(Jean Todt)氏から代表職を引き継いだドメニカーリ氏だったが、今シーズンは開幕から3戦連続で表彰台を逃し、コンストラクターズ争いの順位も5位と不振を囲っている。

 後任となる北米フェラーリのマルコ・マッティアッチ(Marco Mattiacci)CEOに託された明白な課題は、現在メルセデスAMG(Mercedes AMG)が独走状態にあるなか、一年以内にフェラーリの未来を軌道修正することにある。

 ここまで、フェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)とキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)のパフォーマンスが振るわず、ドメニカーリ氏は重圧が増大していく状況に直面していた。

 ドメニカーリ氏は、「全員がプロフェッショナルとして共に仕事をしていくなか、誰かが勇気を持って困難に立ち向かい、非常に辛い決断をしなければばらない特別な局面がある」と述べ、「大きな変革が必要な時期だ。私は、チームが置かれている現状に対して、これまでと同様に代表として責任を取る」とつけ加えた。

「この決断は、大改革をもたらすことを目的としたものだ」

 フェラーリのルカ・ディ・モンテゼーモロ(Luca di Montezemolo)会長は、ドメニカーリ氏に対し、「今日まで、彼は自分以前にフェラーリの利益を優先し、責任者として判断を下してきた」と感謝の意を述べた。

 ドメニカーリ氏は、7年近くの在任期間で、就任した2008年にコンストラクターズのタイトルは獲得したものの、フェリペ・マッサ(Felipe Massa)があと一歩のところでドライバーズタイトルを逃す結果になってしまった。

 その後は、アロンソがレッドブル(Red Bull)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)の後塵(こうじん)を拝し続けている。

 新しい技術規則が導入された今季のF1で、フェラーリは2014年シーズン3戦全勝のメルセデスを目標に追走を続けるという、これまでにない状況に置かれている。(c)AFP