【3月27日 AFP】英植民地時代のオーストラリアで初めて発行された紙幣で現存する唯一の実物が26日、シドニー(Sydney)で競売に掛けられ、予想を上回る33万4000豪ドル(約3200万円)で落札された。競売を主催したコイン・紙幣専門の豪競売ノーブル・ニュミスマティクス(Noble Numismatics)が27日、明らかにした。

 ノーブル・ニュミスマティクスによると、この紙幣は豪ニューサウスウェールズ銀行(Bank of New South Wales、現ウエストパック銀行、Westpac)が1817年に発行した10シリング紙幣100枚のうちの1枚。2005年に英スコットランド(Scotland)で個人コレクションの中から見つかった後、個人コレクターが所有していた。

 同競売のジム・ノーブル(Jim Noble)氏によると、紙幣は発行当時のニューサウスウェールズ植民地総督だったラクラン・マクウォリー(Lachlan Macquari)かその部下が、マクウォリーの故郷スコットランドに持ち帰ったものと考えられている。

 今回、競売にかけられたものが現存が確認されている唯一の実物で、植民地時代の紙幣についた価格としては史上最高額だという。(c)AFP