【3月24日 AFP】ポーランドのマラソン選手が、来月行われる同国出身の故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)(在位1978~2005年)の列聖式に参加しようと、ローマ(Rome)までの約2000キロの道のりを走り続けている。

 列聖式に向かう道中、ピョートル・クリオ(Piotr Kurylo)さん(42)は世界平和、とりわけ隣国ウクライナの平和に祈りを捧げている。

 ポーランド北部のボルキ(Borki)村で休憩をとっていたクリオさんは、AFPの取材に応じ、「他の人たちはバスや電車、飛行機でローマに行くだろうけれど、ぼくはマラソン選手だから、走ることが唯一の方法なんだ」と話した。

 法王の顔がプリントされたTシャツを着たクリオさんは、3月15日に同国北部のStudzieniczna村を出発した。湖が点在するこの地域は、ヨハネ・パウロ2世(本名:カロル・ユゼフ・ヴォイティワ)が1978年にローマ法王に就任する以前にカヤックなどをして休暇を過ごした場所だ。

 2児の父親でもあるクリオさんは、4月27日の列聖式までにイタリアに到着するために、1日の平均走行距離およそ80キロを目標にしている。イタリアに到着するには、スロバキアやハンガリー、オーストリアを通過しなければならない。「時々誰かが合流してきて、一緒に走るんだ。人々の反応はとても温かい。彼らに託された祈りの言葉を、ぼくがローマに届けるんだ」

 食料などの生活必需品を積んだワゴンにひもを付け、それを腰に巻いて引っ張りながら走るクリオさん。法王の写真で飾り付けされたこのワゴンは、夜間には就寝用テントにもなる。

 ローマまで走ることは、今年の夏に出場する予定のウルトラマラソンまでに自身の体を活性化し、充電させるためでもあると話すクリオさん。列聖式の後は、ハンガリーにある中欧最大の湖の周囲を走る212キロのウルトラバラトン(UltraBalaton)と、ギリシャの歴史地区を走る246キロのスパルタスロン(Spartathlon)に出場する予定だという。(c)AFP/Maja Czarnecka