■試合を喜ぶファン 「すでに僕らは勝った」

 政治問題はさておき、コソボで大きな話題となっているのは代表チームの構成で、多くのファンがイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属する19歳のアドナン・ヤヌザイ(Adnan Januzaj)がピッチに立つことを期待している。

 これまで才能を持った多くの選手たちは、地元のクラブで活躍する機会がなかったためにコソボを離れ、そのほとんどがドイツ、オーストリア、アルバニア、スイスに渡った。

 それらのなかにはGKのサミル・ウイカニ(Samir Ujkani)や、ペルパリム・ヘテマイ(Perparim Hetemaj)といったイタリアのクラブで活躍する選手たちもいる。

 観戦チケットの代金は3ユーロから10ユーロに設定されており、国の失業率が35パーセントを超えているコソボの多くの人たちにとっては相当な高額になるが、それでもファンはこぞって手に入れようとしている。

 47歳の小売店主は、「試合が待ちきれないんだ。10倍の値段を払って行く準備をしているよ。孫の代まで語り継がれるような歴史的な日になるからね」と語った。

 24歳の学生は、初めてFIFAに試合が承認された日は、コソボが独立宣言を行った「2月17日と同じくらい重要だった」と述べ、「試合の結果はどうなるにせよ、すでに僕らは勝ったんだ」と述べた。

 FFKの関係者は、国外で暮らす多くのコソボ人が、すでにチケットを購入していると明かした。

「大きな注目を集めている。毎日、海外から数百もの注文を受けている」

 1980年代に活躍したコソボサッカー界の伝説的なストライカーだったFFKのボクリ会長は、同国のサッカーについて「もう後戻りすることはない」と語った。

「新たな目標は、FIFAのメンバーとして正式に認められることだ」

(c)AFP/Ismet HAJDARI