【2月13日 AFP】アルゼンチンで、2年前に夫に刺殺されたとみられる女性が生前家庭内暴力に悩み、この夫に対して求めていた接近禁止命令が、女性の死後2年になって認められ、8日その通知書を遺族が受け取った。

 クリスティーナ・オリバレス(Cristina Olivares)さん(当時25)は2児の母親で、3人目を妊娠中だった2012年に刃物で140回刺されて死亡した。遺体は、同国北西部のサンフアン(San Juan)市から約20キロの路上で発見された。

 オリバレスさんの殺害に関与したとされるのは、夫のミゲル・アンヘル・パルマ(Miguel Angel Palma)容疑者とその愛人、そして2人の共通の友人1人で、3人は勾留中だが裁判はまだ始まっていない。オリバレスさんは生前、パルマ容疑者から家庭内暴力を受けており、何度も警察に届け出ていた。

 8日になって、オリバレスさんの父親の元に1通の文書が届いた。すでに亡くなったオリバレスさんに、夫に対する接近禁止命令が発令されたことを通知する内容だった。

 当局はこの不手際について、遺族に対し公に謝罪した。

 アルゼンチンで家庭内暴力撲滅を目指す非政府団体(NGO)によると、同国では2012年に255人の女性が暴力を受けて亡くなったという。(c)AFP