【2月8日 AFP】いよいよ競技が始まったソチ冬季五輪。記者が開幕直前の五輪会場で集めたさまざまなエピソードを紹介する。

■「脚の間をすり抜けるさ」、最低身長の男子アイスホッケー選手が抱負

 オーストリアのドミニク・ハインリヒ(Dominique Heinrich、23)は、ソチ五輪の男子アイスホッケーで最も身長の低い選手かもしれない。だが、ハインリヒはその身長が有利に働くと信じている。

「他の人の脚の間を滑り抜けるよ」と、身長170センチのハインリヒはオリンピック・ニュース・サービス(ONS)に語った。

 2010年バンクーバー冬季五輪金メダルのカナダチームは、190センチ以上の選手を10人そろえている。

 しかしハインリヒは高身長を恐れていない。「そのことはもう考えない。僕はプロになって以降いつもチームの中で最も身長の低い選手だったけれど、問題はなかった。その身長でのプレイ方法を知っているから」

■スピードスケートでスピード出世?

 オーストラリアからの唯一のスピードスケート選手、ダニエル・グレイグ(Daniel Greig、22)は、スピードスケート男子500メートルと同1000メートルが豪テレビで生放送されることで、クリケットとラグビーが大人気の母国でスター選手になれるかもしれないとの期待を口にした。

「自分のレースが生放送されるんだ。すごいことだよ」

 グレイグは、1月に長野市で開催された世界スプリントスピードスケート選手権大会で銅メダルを獲得している。

「ほとんどの人はスピードスケートが何なのかすら知らない。私がスピードスケート選手だと伝えると、『ああ、スティーブン・ブラッドバリー(Steven Bradbury)ね』と返されるんだ」

 スティーブン・ブラッドバリー選手は、2002年のソルトレークシティー(Salt Lake City)冬季五輪のショートトラックで、ライバル選手が全員転倒したことで金メダルを獲得した。

■未完成の宿泊施設…米人気選手が助け船?

 開幕までに準備を何とか終わらせようと奮闘する大会運営者に、米国の人気スキー選手ボーディ・ミラー(Bode Miller)から思わぬ応援の声が上がった──と思いきや、その猶予はわずか数時間ほどだった。

 選手や報道関係者の宿泊施設がまだ完成していないとの報道が相次ぐ中、ミラーは、宿泊施設の準備がまだ終わってないことを認めた上で、これまでに参加した他の五輪も似たようなものだったと指摘した。

 とはいえ、ミラーの与えた猶予期間はほんのわずかだった。

「開会式が終わるまでは、審判を下すつもりはない」とミラー。

「つまり、彼らには完成にこぎつけるためにあと数時間残ってるわけだ」と述べ、記者会見場に笑いを起こしていた。(c)AFP