【12月27日 AFP】特定の染料に対する使用禁止措置をめぐり、フランスのタトゥーアーティストらが政府に抗議していた問題で25日、この騒動が数千ページに及ぶ規制文書の「読み違い」に起因していたことが分かった。タトゥーアーティストらで組織する団体に届いた仏保健省の公式文書で明らかになったという。

 この問題は、数か月前に仏保健省が化粧品などに使われる染料59種を安全上の理由から使用禁止とした判断に対し、国内のタトゥーアーティストらが抗議していたもの。染料59種のなかにはタトゥーで使われるものも含まれていた。

 仏タトゥーアーティストの団体「タトゥアージュ・アンド・パルタージュ(Tatouage & Partage)」は25日、保健省から公式文書を受け取ったことを発表し、一連の騒動が「誤解釈」によるものだったとした。

 同団体のステファン・ショドゥゼージュ(Stephane Chaudesaigues)会長は「色の付いたタトゥーは救われた」とコメントした。

 禁止措置について同会長は、執行当局によって「誤って解釈」されたとし、国内3500人~4000人のタトゥーアーティストを代表して安堵(あんど)の意を表明。「収入の糧が失われるところだった。現在はタトゥーの9割が色付きだ」と述べた。

 現時点で、保健省からのコメントは得られていない。

 同団体によると、使用禁止を公示する政令文の中に記載された、化粧品で使用できる染料の一覧表の1つが問題だったという。団体の関係者は「彼らは単にその表を読み違えただけだ」と指摘し、また「3600ページに及ぶ欧州の規制とフランスの法律での適用について専門家を雇、詳細に調査した。結果、何も変更する必要はないことを知るに至った」と述べている。(c)AFP