【12月10日 AFP】米ヘビーメタルバンド、メタリカ(Metallica)はこのほど、南極大陸で観客約100人がヘッドホンをつけて鑑賞するというめずらしいコンサートを行い、全大陸でのコンサート開催を果たした。

 アルゼンチンのメディアによると、このコンサートは8日夜、同国のカルリーニ(Carlini)基地のドーム内で開かれた。会場近くには氷河があり、また南極の南端に位置することから、日差しが残る中でのコンサートとなった。

 毛皮の帽子とサングラスを身に着けたリードボーカルのジェイムズ・ヘットフィールド(James Hetfield)は、選ばれた観客たちに向かって、「歴史を作る準備はできているな?俺たちもだ!」と叫んだ。

 会場のドームは、南極大陸を吹き抜ける身を切るように冷たい風からバンドと観客を守った。観客は、科学者と数人のゲストで、環境保護のためヘッドホンを装着した。

 コンサートでは、発電機と数枚のソーラーパネルを使って音声を拾い、アンプもスピーカーも使用されなかった。コンサートの様子は、ストリーミングでライブ中継され、その後、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿された。(http://www.youtube.com/watch?v=l7USiW1LQCU#t=31dm-ap/plh)

 米誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)によると、南極大陸でコンサートが開催されたのは、今回のメタリカのコンサートを含めて2回だけだという。

 これに先立って同誌がウェブサイトで報じたところによると、初めてのコンサートは、気候変動研究者たちが結成したインディーズのロックグループ、ヌナタク(Nunatak)が2007年に開催したという。(c)AFP