【12月3日 AFP】昨季のスキージャンプW杯で女子総合優勝を果たした高梨沙羅(Sara Takanashi)が、2014年ソチ冬季五輪で金メダルを獲得するべく、新シーズンで「波に乗りたい」と抱負を語った。

 6日にノルウェーのリレハンメル(Lillehammer)で行われる開幕戦に向け、日本選手団はオーストリアで調整を行う。出発前の成田空港(Narita Airpot)で取材に応じた17歳の現役女子高生は、「まだ雪の上で飛んでいないので、待ちきれない」とコメントした。

「開幕戦ということで、表彰台に上がっていい波に乗れるように精一杯やりたい。上位に入ることができたら自信になる」

 高梨は、7月から9月にかけて行われたFISサマーグランプリ・ジャンプ(FIS Summer Grand-Prix Ski-Jumping)の全6戦のうち個人4勝を挙げており、総合連覇を達成した。

 今シーズンはソチ冬季五輪で米国代表入りが予想されるサラ・ヘンドリクソン(Sarah Hendrickson)が1月半ばまで離脱する見込みとなっており、高梨の2年連続W杯総合優勝にも期待が高まっている。

 W杯は3月22日までに20戦が予定されている。シーズン中の2月11日には、冬季五輪史上初めて女子のスキージャンプが実施される。

 16歳で参戦した昨シーズンのW杯で高梨は16大会に出場して8勝、13大会で表彰台入りを果たし、史上最年少の個人総合王者に輝いた。

 高梨は、試技の際に片足を前に出して着地するテレマークがうまく取れず、何度か減点されている。スキージャンプは飛距離点と飛型点の合計で順位が決まり、この着地姿勢は飛型点の採点において重要な要素となる。

 これについては高梨自身も「まずは飛型点を意識する必要がある」と課題に挙げた。

 それでも高梨は、ソチ冬季五輪で金メダルに最も近い日本人選手とされている。日本にとって冬季五輪の金メダルは希少価値が高い。

 女子フィギュアスケートで過去2度の世界選手権(ISU World Figure Skating Championships)制覇を誇る浅田真央(Mao Asada)は、自己最高得点で2010年バンクーバー冬季五輪女王の金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)に差をつけられており、同五輪で浅田は2位に終わった。

 また、男子フィギュアスケートでは今年3月に世界選手権3連覇を達成したカナダのパトリック・チャン(Patrick Chan)が日本勢の前に立ちはだかり、超えるのは至難の業といえる。

 冬季五輪における日本の金メダルは、1998年の長野冬季五輪で歴代最多の5個を獲得して以降、2006年のトリノ冬季五輪で女子フィギュアスケートの荒川静香(Shizuka Arakawa)が獲得した1個にとどまっている。(c)AFP