【11月16日 AFP】13-14フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第5戦、エリック ・ボンパール杯(Trophee Eric Bompard 2013)は15日、フランス・パリ(Paris)のベルシー体育館(Palais omnisports de Paris-Bercy)で男子シングル・ショートプログラム(SP)が行われ、カナダのパトリック・チャン(Patrick Chan)が同種目で世界最高得点となる98.52点で首位発進した。

 世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)3連覇中のチャンは、セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninov)の「第1番エレジー(Elegie in E Flat Minor)」にのせた演技で2位につけた羽生結弦(Yuzuru Hanyu)を上回る高得点を獲得した。

「今日の滑りはとても良かったが、2014年ソチ冬季五輪に向けた一歩にしか過ぎない」と、今年の世界選手権のSPで自ら樹立した世界記録の98.37点を破ったチャンは語った。

 過去にこの大会で3度優勝しているチャンは序盤に4回転トーループ2回転トーループのコンビネーションを決め、その後のトリプルアクセルとトリプルルッツも完璧に跳んで見事な演技を見せた。

 それでもチャンは慎重であり続けることを忘れてはいない。

「いい気になってはいけない。僕の目標はソチ五輪で金メダルを取ることだ。今日はそれに向けたステップに過ぎない。もし明日もいい演技をすれば、また一段上のレベルに達することができる。プレッシャーがかかる中、自信を持ってソチに挑めるだろう」

 一方、先月行われたスケート・カナダ(2013 Skate Canada International)で優勝したチャンに続いて2位に入った羽生は、ゲイリー・ムーア(Gary Moore)の「パリジェンヌ・ウォークウェイズ(Parisienne Walkways)」にのせて完成度の高いパフォーマンスを披露。自己ベストの95.37点を記録した。

「パトリックよりも低いスコアだったが、それでも満足している」と18歳の羽生は語った。

「ミスを犯さなかったことがとてもうれしい。記録を破ることは考えていないし、まだ五輪のことも考えていない。ただいつものような滑りができるように努力したい」

 米国のジェイソン・ブラウン(Jason Brown)が84.77点で3位に、中国のハン・ヤン(Yan Han)が84.34点で4位につけている。(c)AFP/Emmeline MOORE