【10月17日 AFP】米フロリダ(Florida)州で15日夜、死刑判決を受けながらその後24年間にわたって犯行を否認し続けた51歳の死刑囚の刑が執行された。

 報道によると、ウィリアム・ハップ(William Happ)死刑囚は致死薬を注射され、15分以上にわたって何度もけいれんを起こした末に息絶えた。同州の関係当局によると、ハップ死刑囚にはこれまで使用された例がない致死薬が投与された。

 従来使われていた致死薬の在庫が少なくなっていることから、米国の死刑制度がある州の多くは新しい致死薬に切り替えつつある。しかし新しい致死薬は過度の苦痛を生じさせるとして死刑囚が訴訟を起こす例が相次いでいる。

 ハップ死刑囚は、アンジェラ・クローリー(Angela Crowley)さんが1986年に殺害された事件で死刑判決を受けた。薬物とアルコールの問題を抱えていたハップ死刑囚は当初別件で逮捕されたが、現場で発見された足跡から捜査線上に浮上した。クローリーさんは首を絞められてレイプされ、運河で遺体が発見された。

 死刑判決を受けた後も罪を認めていなかったがハップ死刑囚だが、刑執行直前になって初めて罪を認めた。

「27年間にわたって、アンジェラ・クローリーの無残な殺害(の真相)は、状況証拠と不確実性によって不透明になっていた。彼女の家族、愛する人々、そして心配していた全ての人のために、私は苦痛と恥辱をもってこの私のひどい罪を告白しなければならない。クローリーさんのために心配していた人だけでなく、私がだまして私の無実を信じさせた人たちに、心から深く謝罪する」とハップ死刑囚は書き残した。(c)AFP