【10月7日 AFP】イタリア沖でアフリカからの難民船が出火後に沈没、難民300人以上が死亡したとみられている事故で、発生から3日たった6日、83人の遺体がダイバーによって収容された。

 事故現場のランペドゥーザ(Lampedusa)島付近の水深約50メートルで遺体の収容作業を行うダイバーらによると、沈没船の中やその周辺の海底には、抱き合ったまま最後の時を迎えた犠牲者や、海底で砂をかぶって横たわる遺体など、まるで悪夢のような光景が広がっているという。

 6日の遺体収容により、死亡が確認された人数は194人になった。船には480~518人が乗っていたとされ、うち155人が救助されている。最終的な死者数は325~363人に上るとみられている。遺体収容作業は8日までに終了する見込み。

 桟橋に立って遺体が到着するのを見守ったイタリア初の黒人閣僚セシル・キエンゲ(Cecile Kyenge)移民融和担当相は、「移民法が懲罰的であってはいけない」と語った。現行の移民法では、正規の手続きを取らずに入国する人々は全て犯罪容疑者とみなされ、海からの不法入国を助けた者は罰せられる。

 同相はまた、流入する難民数の増加に応じるため、難民収容所のベッド数を3倍の2万4000床に増やす予定だと語った。

 エンリコ・レッタ(Enrico Letta)伊首相は、「イタリアが(流入難民の)全てを最初に背負う国にはなるのは無理だ」と述べ、さらなる支援を欧州諸国に求めている。(c)AFP/Ella Ide