【9月20日 AFP】陸上・男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が19日、2016年のリオデジャネイロ五輪で引退するという考えを改める可能性を示唆した。

 ボルトはまた、2014年にグラスゴーで行われる第20回コモンウェルスゲームズ(20th Commonwealth Games)に出場したいと考えていると明らかにした。

 五輪で6個の金メダルを獲得しているボルトは、以前からリオデジャネイロ五輪を最後に現役を退くと語ってきたが、今回、それから1年間は現役を続行する可能性があると語った。

 ボルトはAFPに対し、「スポンサーやファンは続けてほしいと思っているみたいだから、腰を据えてじっくり考えてみたんだ。もしかすると、1年は続けるかもしれない。みんなをハッピーにしたいしね」

「ファンも続けるべきだと言ってくれるから、もう1年やってもいいかなと思うんだ」

 ボルトはまた、2014年の第20回コモンウェルスゲームズ出場に意欲を見せている。コモンウェルスゲームズとは、かつての大英帝国に属する国が参加し、4年に1度開催される大会で、ボルトはこれまで出場したことがない。

 ボルトは北京五輪で一躍有名になる2年前、2006年にメルボルンで行われた第18回大会に参加を予定していたが、ハムストリングを痛めて出場を辞退していた。

 ボルトは「コーチには以前から、コモンウェルスにはどうしても出たいって言ってるんだ」と語った。

「まだ出たことがない大会だからね。出場はコーチ次第だけど、参加したいとずっと言っている。これから検討すると思うけれど、なんと言ってくるかはまだ分からない。100パーセントとは言えない。話し合って意見を聞くよ」

 ボルトはこの日、新しい自伝『Faster than Lightning』の刊行記念サイン会を行い、会場となったロンドン中心部のデパートには数百人のファンが詰めかけた。

 27歳となり、8月に行われた第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)でも男子100メートル、200メートル、4×100メートルリレーを制したボルトによると、試練と苦難に満ちた道のりをつづった今回の作品は、多くの読者の心に響くだろうと語った。

「自分にとって、これは応援のための物語だ。みんなを鼓舞し、一生懸命やればどんなことでも可能になると分かってもらいたい。だから自分の物語をみんなと共有することがすごく大事だったんだ」

「簡単な道のりではなかった。最初は本当につらかったし、成功を収めた時期にさえ浮き沈みがあったり、けがや何かがあったりした。トップの座に返り咲くには、全力を尽くさなくちゃならなかった」

「だからこそ、自分の物語を共有し、みんなに伝えたいと思ったんだ。人生はときどき変化球を投げてくることもあるけど、力強く、集中して、本当に欲しいものを目指してただ全力で取り組まなくちゃならないとね」

(c)AFP