【8月22日 AFP】鳥は、道路の制限速度を認識して車との衝突を避けているとする論文が21日、英国王立協会(British Royal Society)の専門誌バイオロジー・レターズ(Biology Letters)に掲載された。

 カナダ・ケベック大学リムスキー校(University of Quebec in Rimouski)のピエール・ルガニュー(Pierre Legagneux)氏(行動生態学)らは、制限時速20キロ、50キロ、90キロ、110キロの道路で、21種の鳥の車に対する反応を観察。迫り来る車を避けるために飛び立つタイミングや、最終的に着地するまでの時間などを分析した。

 その結果、鳥は捕食者による危険などと同様に、道路の制限速度を周辺環境の特徴の1つとして捉え、「衝突の危険を分析する手段」として順応していることが分かったという。

 ルガニュー氏によると、きっかけは別の研究のためフランス西部でアヒルの群れを追っていた際、道路の上に止まった1羽の鳥に出くわしたことだった。鳥との衝突を避けるためブレーキを踏まなければならなかったルガニュー氏は、鳥が車の存在をどう捉え、衝突を避けているのかを自分の車を使って確かめてみようと思ったのだという。

 ルガニュー氏はAFPの電話取材に「鳥が私の車のスピードではなく、その道路を走行する車の平均速度、すなわち制限速度に反応していることに気付いた」と語った。したがって、速度制限を厳守させれば、鳥と車との衝突を減らすことができ、人口密集地域に生息する絶滅の危機にある野生生物の保護に大きな効果があるのではないかと指摘している。(c)AFP