【7月31日 AFP】インドの与党・国民会議派(Congress Party)は30日、同国南東部のアンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州からIT企業が集積しているハイデラバード(Hyderabad)を含むテランガナ(Telangana)地区を分割し、新たな州を創設する案を承認した。

 国民会議派の決定は議会の承認を得る必要があるが、最大野党のインド人民党(Bharatiya Janata PartyBJP)は支持を表明している。分割案は数十年前から実現を求める声が上がっていたものだが、周辺地域では反対意見も根強く、今回の決定を受けて暴力的な抗議行動が起きる恐れもある。

 州昇格が実現すればインド29番目の州となるテランガナ地区は、干ばつが頻発する貧困地域に位置する。分割案支持派は、アンドラプラデシュ州政府は一貫してこの地区を軽視してきたと主張している。

 一方で、同州のより豊かな地区は、多様な民族・文化・宗教を持つインドの他の地域での州昇格を求める動きの活発化を招くとして、この分割案に強く反対している。

 アンドラプラデシュ州はインドで5番目に面積が広い州で、定数545(うち2議席は父方が欧州起源の者から大統領が指名する)の下院で42議席が同州からの選出。来年予定されている総選挙で勝利して3期連続で与党の座にとどまることを狙う国民会議派は、この分割案によって同州での支持を広げる意図があると専門家たちは話している。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA