【7月29日 AFP】米アップル(Apple)製品の製造を行っている中国の3工場で、労働時間の大幅な超過や18歳未満の就労が行われていると、米国を拠点とする労働権利団体の中国労工観察(チャイナ・レイバー・ウオッチ、China Labor Watch)が29日、発表した。

 中国労工観察の報告書によると、ペガトロン(Pegatron)グループの操業する3工場が、アップルの設定した基準に違反していたという。

 アップルはウェブサイトで、未成年の就労やサービス残業の禁止、週60時間の最大労働時間を定めていることを明らかにしている。

 だが報告書によると、ペガトロンの工場従業員7万人の平均週労働時間は各工場でそれぞれ66時間、67時間、69時間で、「多くの労働者」が18歳未満だった。一部の18歳未満は専門学校からのインターンだったという。

 また工場では繁忙期は残業が義務づけられており、1か所の工場では残業を拒否した労働者らにその月内の残業が一切許可されなくなったという。

 アップルは声明で、2007年以降、ペガトロンの施設の監査を15回実施し、週平均労働時間が46時間であることが先月分かったと発表していた。

 アップルは、過去にも中国労工観察からの苦情を受けて行動を取ったと述べており、今回の報告書の内容についても、「われわれの知らなかった現状」を直ちに調査すると述べた。

 中国労工観察は、3工場に覆面調査員を派遣し、今年3月から7月にかけて労働者200人以上に聞き取り調査を行ったと述べている。(c)AFP