【7月27日 AFP】イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)は26日、大阪長居スタジアム(Nagai Stadium)で、香川真司(Shinji Kagawa)の古巣セレッソ大阪(Cerezo Osaka)と親善試合を行い、試合は2-2の引き分けに終わった。

 ユナイテッドは後半ロスタイムにウィルフレッド・ザハ(Wilfried Zaha)のゴールで引き分けに持ち込み、プレシーズンに行っているアジア遠征での3敗目を免れた。

 1年前にドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)からユナイテッドに加入した香川は、セレッソ大阪のGK金鎮鉉(Kim Jin Hyeon、キムジンヒョン)にPKを阻まれたものの、その数分後には得点を記録し、長居スタジアムを満員にした4万4856人の観衆を喜ばせた。

 約2週間前にタイのバンコクでシンハー・オールスターズ(Singha All Stars)に0-1で敗れ、オーストラリアのシドニーでは5-1でAリーグ・オールスターズ(A-League All Stars)に勝利したものの、横浜F・マリノス(Yokohama F Marinos)に2-3で敗れたユナイテッドは、アジア遠征の成績を2勝2敗としている。

 ユナイテッドのデビッド・モイーズ(David Moyes)監督は、試合後に「満足している」と語った。

「チームは良いプレーをしていた。終盤の得点にはとても喜んでいる。このアジア遠征で最高のパフォーマンスだったと思う」

 試合終盤にザハが決めた同点ゴールは、うだるように暑い気温の中で行われた試合で、イングランド・プレミアリーグ王者が最後まで諦めなかった結果だった。

 コートジボワール出身で20歳のザハは、イングランドU21代表にも選出されており、1月にクリスタルパレス(Crystal Palace)からユナイテッド移籍が決まっていた。

 昨季終了後に長年ユナイテッドを率いたアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)監督からチームを引き継いだモイーズ監督は、ザハについて、「彼は大人しいし、まだすべての人が知っているわけではない」と語った。

「今夜は彼のためになるはずだ。チームに何かを起こすことができることを証明してみせた」

■古巣と対戦の香川、PKを外したものの直後に凱旋ゴール

 前半34分にセレッソは、クリス・スモーリング(Chris Smalling)がインターセプトされたパスのこぼれ球を拾った杉本健勇(Kenyu Sugimoto)が、ユナイテッドのDF2人をかわし左足で先制点を挙げた。

 迎えた後半、ユナイテッドはアシュリー・ヤング(Ashley Young)がペナルティーエリア内でセレッソの山下達也(Tatsuya Yamashita)に倒されたが、獲得したPKを香川が決められなかった。

 しかし、香川は直後の同9分に得点を記録し、少しだけプライドを取り戻した。ライアン・ギグス(Ryan Giggs)のクロスを受けた香川は、セレッソのGK金の股下を抜けるシュートで同点ゴールを決めた。

 2010年にセレッソ大阪からドルトムントへ移籍した香川は、「PKを外してしまったので、自分の中に相当な重圧があった。なんとか得点できて良かった。それが嬉しい」とコメントしている。

 そして香川が古巣のサポーターからの歓声を浴びながらベンチに退いたその数分後、セレッソは後半18分に18歳のストライカー、南野拓実(Takumi Minamino)がペナルティーエリアの外から素晴らしいシュートでチーム2得点目を奪い、イングランド王者を驚かせた。

 しかし、ザハが試合終了間際にゴールを決めたことで、ユナイテッドは同点に追いつくことができた。

 セレッソ大阪のレヴィー・クルピ(Levir Culpi)監督は、「アディショナルタイムで集中力を欠いたことで、致命的なミスをしてしまった。私たちが勝てた試合だった」と語った。(c)AFP/Shigemi SATO