【7月8日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)を率いるユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督が7日、ドルトムントはリーグの「ロビン・フッド(Robin Hood)」役となり、前シーズンにタイトルを総なめにしたバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)打倒を目指すと語った。

 バイエルンは2012-13シーズン、あらゆる対戦相手を退けて、ドイツのクラブでは初となる欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)、リーグ戦、国内カップ戦の3冠(トレブル)を達成した。チャンピオンズリーグの決勝では、2-1でドルトムントを下している。

 さらにシーズン終了後には、かつてスペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)の指揮官を務めたジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)新監督を迎え入れた他、ドルトムントからドイツ代表の新星マリオ・ゲッツェ(Mario Goetze)を獲得した。

 そんなバイエルンを相手にクロップ監督は勝負に挑むと話し、ドルトムントをイングランドの伝説上の義賊、ロビン・フッドになぞらえた。対するバイエルンの役どころは、ロビンの宿敵「ノッティンガムのシェリフ(Sheriff of Nottingham)」だという。

 独ヴェルト(Die Welt)紙の日曜版でクロップ監督は、「我々は弓と矢を持っていて、正確に狙いをつければ標的を打ち倒せる」とコメントした。

「バイエルンはバズーカ砲を備えているようなものだと感じるし、彼らが敵を打ちのめす可能性はますます高くなっている。とはいえ、ロビン・フッドだって大きなことを成し遂げた」

 クロップ監督は、これからのシーズンにバイエルンからリーグタイトルを奪還できる可能性は、現状では低いとしているものの、「だからといってここ数年、我々が挑戦するのをやめたことはない」と語っている。

 前週から新シーズンへ向けたトレーニングを再開したチームについて、前シーズン無冠に終わったことによる「確かな強さと欲」を選手から感じ取っているという。

■新戦力に期待する一方で、レバンドフスキの去就問題に直面するクロップ監督

 ドルトムントはここまで、フランス・リーグ1のサンテティエンヌ(AS Saint-Etienne)から攻撃的なポジションを複数こなせるピエール・エメリク・オーバメヤン(Pierre-Emerick Aubameyang)を、ブンデスリーガ1部からヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)からギリシャ代表DFソクラティス・パパスタソプーロス(Sokratis Papastathopoulos)を新戦力として迎えている。

 さらにウクライナ・プレミアリーグのシャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)からは、攻撃的MFのヘンリク・ムヒタリアン(Henrikh Mkhitaryan)が加入することが予想されている。  一方ロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)は新婚旅行から戻り、6日から練習に復帰しているが、現在もドルトムント退団の意思を明確に示しており、移籍先はバイエルンと広く報じられている。

 クロップ監督は、ドルトムントとの契約が2014年6月まで残るレバンドフスキについて、「ロベルトが環境を変えたいという意思を持っている以上、ある時点まで、我々は話し合いに応じる用意をしていた。しかしその間には何も起こらなかった」と述べた。

「もうこの話は十分、というところまで来ている。ロベルトのような質の高い選手なら新シーズンも十分に活躍できるだろうし、今は我々も、それを証明したいと思っているよ」

 ドルトムントは6日、セレブリティを集めたチームと慈善試合で9-1で大勝しており、27日にはバイエルンとのドイツ・スーパーカップ2013(DFL Super Cup 2013)を戦う。(c)AFP