【7月2日 AFP】高額な電気料金の請求書にショックを受けたスリランカの男性が心臓発作で死亡した。地元紙が前月29日、報じた。

 地元紙セイロン・トゥデイ(Ceylon Today)によると、男性(61)は28日、同国最大都市のコロンボ(Colombo)にあるセイロン電力庁に赴き、電気料金の請求金額が突然高額になったことに抗議していた。

 男性は、高額の請求金額が5月に実施された電気料金の大幅値上げによるものとの説明を受けると、その場で心臓発作を起こし、意識を失って椅子に崩れ落ちた。

「電気料金値上げによる最初の犠牲者」との見出しで事件を1面で伝えたセイロン・トゥデイ紙によると、男性の死因は心臓発作。搬送先の病院で死亡したという。同紙は請求金額に触れていないが、電気料金の50%値上げに伴った金額だったとみられている。

 スリランカはアジア圏でも電気料金が高い国のひとつ。1時間当たりの電力量料金は1キロワット時あたり最高で47スリランカ・ルピー(約37円)。発電の割合は、石炭や石油を原料とする火力発電が全電力の約3分の2を占め、残りは水力発電で賄っているが、干ばつになれば水力発電は不可能となる。

 電気事業当局によると、2013年は7億5000万ドル(約750億円)の赤字が予想されていたが、5月に実施した値上げにより2億2500万ドル(約225億円)まで損失額を縮小できる見込みだという。(c)AFP