【6月25日 AFP】イタリアの裁判所は24日、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相(76)に対し、未成年女性の買春と、この女性との関係を隠すため職権を乱用した罪で、禁錮7年と公職追放の有罪判決を言い渡した。

 これを受けて同元首相は「信じ難い判決。私の政治生命を絶とうとする動きだ」と判決を強く非難し、同氏の弁護士は直ちに上訴する意向を明らかにした。

 検察側の求刑は禁錮6年で、判決の量刑はそれを上回った。今後、同国の大連立政権内部に大きな緊張を生む恐れもある。同元首相が率いる自由国民(PDL)の幹事長も務めるアンジェリーノ・アルファノ(Angelino Alfano)内相は、「最悪のシナリオよりもさらに悪い」判決だったとし、ベルルスコーニ氏に「闘い続ける」よう促した。これは同氏に引き続き政権への支援を求めた発言とも取れる。

 同国の大連立政権は、自由国民の協力が得られなければ成立しない。識者からは、衝動的な傾向のある同氏が、政権から司法上の保護を提供されないと感じれば、連立から手を引く恐れもあると警告している。

 あらゆる上訴に対する判決が出るまで刑は執行されず、それまでには数年かかるとみられる。またイタリアの量刑ガイドラインは70歳を超える被告には寛大であるため、76歳の同元首相が実際に収監される可能性は低い。(c)AFP/Ella Ide