【6月21日 AFP】フランス・パリ(Paris)で19日、高校教育の修了資格を得るための統一国家試験「バカロレア」で19歳の娘に成りすまして試験を受けた52歳の母親が、警察に身柄を拘束された。

 この母親は、「コンバース(Converse)」のロゴ入りトレーナーにローライズのスキニージーンズというフランスでは典型的な10代少女のファッションに身を包み、バカロレアの英語の試験が行われるパリ市内の高等学校の試験会場に入室した。

 だが1週間前に行われた哲学の試験で娘の顔を認識していた試験官が、母親の変装を見破り校長に知らせ、学校側は警察に通報。母親は駆け付けた警察官に身柄を拘束された。母親は、詐欺罪で起訴される見通しだ。

 だが、より深刻な罰則を受けることになったのは、むしろ娘の方だ。娘は今後5年間、公的試験を受けることができない。

 バカロレアは、1808年に当時のフランス皇帝ナポレオン(Napoleon)が導入した多科目試験で、フランスでは高校卒業試験と見なされ、大学進学希望者はバカロレア合格が必須となる。(c)AFP