【4月19日 AFP】自転車トラックレース選手で、五輪金メダリストのクリス・ホイ(Chris Hoy、英国)が18日会見を開き、競技からの引退を表明した。

 五輪の自転車競技では史上最多の、通算6度の金メダル獲得を達成したホイが、37歳でそのキャリアに幕を下ろすこととなった。

 ホイは出身地であるスコットランドのエディンバラ(Edinburgh)で記者会見を開き、「国際大会からの引退を、ここで正式に表明します」と発表し、「軽い気持ちで決めたことではありません。家族やコーチ陣に支えられながら、熟考した上での結論です」とコメントした。

 ホイは2012年のロンドン五輪で、トラックレースの男子チームスプリントとケイリンで金メダルに輝き、元ボート選手のスティーブ・レッドグレイブ(Steve Redgrave)氏の記録を抜いて、英国選手として史上最多の金メダルを獲得した選手となった。

 記者に「キャリアの中で一番印象に残っていることは何か」と聞かれたホイは、自身初の金メダルに輝いた2004年アテネ五輪の男子1キロメートルタイムトライアルと、最後の金メダルを獲得した昨年のロンドン五輪でのケイリンを挙げた。

「アテネで表彰台に立ち、自分の名前の後に『五輪チャンピオン』とアナウンスされたこと。あれが私のキャリアの集大成でした。あの時に勝る出来事はもう起きないだろうと思った。しかし、ロンドンのケイリンで最後に6つ目の金メダルを取れた時は、本当に特別な瞬間でした」

「だけど語り始めたらキリがない。たくさんの思い出にあふれたとても楽しいキャリアを過ごせたことを幸せに思っています。そして今もまだ楽しい。これからもずっと自転車に乗り続けていくし、自転車競技を普及する活動も続けるつもりです」(c)AFP