【2月21日 AFP】サッカー元ブラジル代表のペレ(Pele)氏が20日、古巣のサントスFC(Santos FC)でプレーするネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)を批判した。

 同時にペレ氏は、2014年に自国開催のサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)を控えたブラジル代表に危機感を持っていることを明かしている。

 72歳のペレ氏は、ブラジル紙エスタド・ジ・サンパウロ(Estado de Sao Paulo)のインタビューに応じ、「ブラジル代表はとても不安な状況にある。マノ・メネゼス(Mano Menezes)前監督に任せた3年間で得られたものは何も無かった」と述べた。

 ペレの厳しい批判の矛先はブラジル代表の将来を担うネイマールに向けられ、評価に見合うだけの選手なのか疑問だと語った。

 2012年11月に腰の手術を受けた後、サンパウロ(Sao Paulo)近郊にある自宅で療養を続けながらW杯ブラジル大会などで使用する楽曲の制作に取り組んでいるペレ氏は、「ネイマールはセレソン(ブラジル代表の愛称)でプレーするといつも普通の選手に成り下がってしまう」と不満をあらわにした。

「国外の試合になると毎回ダメだ。みんなはネイマールがセレソンの救世主だと考えているようだが、私は大きなプレッシャーを背負わせるのはまだ早いと思う。彼は国外でのプレー経験がない。そして欧州のサッカーは南米とは違う」

「サントス出身の人間はネイマールが世界一の選手だというが、本人はチームのためにプレーすることよりも画面映えするかどうかに集中している。ヘアスタイルを変えるなど、そういったことに心を奪われているんだ」

 また、ペレ氏は最近の試合をテレビで観戦したというブラジル代表についても「組織と調和がない」と切り捨てた。

 メネゼス前監督の解任後、ブラジル代表の指揮官には、2002年のサッカーW杯日韓大会でチームを優勝へ導いたルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)氏が復帰した。

 ペレ氏は、同じく協会に復帰した元監督のカルロス・アルベルト・パレイラ(Carlos Alberto Parreira)氏とともに、スコラーリ監督が「すでにチームを劇的に変えた」との見解を示している。

「経験とは若い選手に積ませるべきものだ。(代表復帰した)ロナウジーニョ(Ronaldinho)のような選手がどういうプレーをするかはもうわかっている」

(c)AFP