【1月18日 AFP】ドーピングにより自転車競技からの永久追放処分を受けたランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が、ツール・ド・フランス(Tour de France)7連覇は数々の薬物を使用して手にしたものだったと認めたことで、輝かしい功績はついに崩れ去った。

 17日に放送された米女性司会者のオプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)氏のトーク番組に出演したアームストロング氏は、ツール・ド・フランスのタイトルを剥奪されて以降では初めてとなるインタビューで「自分で決断したことで、私自身の過ち」と語った。

   「今日は真実を認めて、みなさんに謝罪するためここに座っている」というアームストロング氏は、「私は大きな嘘を何度も繰り返しついてきた」と続け、自らの「人間性に欠陥がある」と付け加えた。

  アームストロング氏はがんとの闘病というハンデに打ち勝って自転車競技最高峰のタイトルを手にし、その名声で病気と闘う患者の支援していた。しかし、「完璧な神話のような話は、真実ではなかった」。

 注目のインタビューは、ウィンフリー氏の矢継ぎ早の質問にアームストロング氏が「はい」か「いいえ」で答える形で始まり、その中でエリスロポエチン(ErythropoietinEPO)や、輸血による血液ドーピング、テストステロン(testosterone)、ヒト成長ホルモン(Human Growth HormoneHGH)の使用を認めた。

 そして、現役で活躍していた時代には薬物の助けがないと自転車競技会最高のタイトルを獲得できないと感じていたと明かした。

   「すべての過失と責任は自分にある。栄光の裏側で勢いで続けてしまった」と振り返り、当時は違反をしている自覚はなく、間違ったことをしているという感覚もなかったという。

 1999年から2005年までのツール・ド・フランス7連覇の間、薬物を使用していたアームストロング氏だが、2009年の現役復帰の際は禁止薬物を使用していないと語った。また、もし引退したままであったら、反ドーピング団体に追い回されるのではないかと疑念を抱いたという。

 アームストロング氏は、自身によって構成された「シナリオ」に同調しなかった人に対して非難するような態度を取ったことは認めたものの、チームメイトにドーピングを強要した事実はないと断固否定した。

 「この習慣を生んだわけではないが、それを止めようとしたわけでもなかった。それが過ちで、謝らなければならないこと。今、自転車競技はその代価を払い続けている。それを本当に申し訳ないと思う」

(c)AFP/Rebecca Bryan