【11月24日 AFP】20日に銃撃を受けて、脳死と判定されたプエルトリコのボクシング元世界王者ヘクター・カマチョ(Hector "Macho" Camacho)氏の母親が、カマチョ氏への延命措置を中止すると23日に発表した。しかし長男は延命措置の続行を求めているという。

 カマチョ氏の母親、マリア・マティアス(Maria Matias)さんは記者会見で、カマチョ氏の子供全員がお別れを済ませてから、24日に延命治療を中止すると語った。

 一方、カマチョ氏の長男ヘクター・カマチョJr(Hector Camacho Jr.)は「試合は最終ラウンドまで終わりません」と語り、人工呼吸器の使用を続けるべきだと、延命中止に反対の考えを示している。しかし最終的には「父を生んだ本人である祖母」のマティアスさんが決定権を持つとしている。

 カマチョ氏は20日、サンフアン(San Juan)市内の酒屋の前を走行中の車内にいたところ銃弾を受けた。車を運転していたアルベルト・モヒカ(Alberto Mojica)さん(49)は死亡した。犯人がカマチョ氏らを狙っていたのか、無差別に発砲したのかは明らかになっていない。

 カマチョ氏は1980年代を彩った最も華やかなボクサーのひとりで、スーパーライト級、ライト級、ライトウエルター級の3階級を制した元世界王者。79勝6敗3引分けの戦績のうち、38度ものKOを獲得しており、オスカー・デラホーヤ(Oscar De La Hoya)やフリオ・セサール・チャベス(Julio Cesar Chavez)、シュガー・レイ・レナード(Sugar Ray Leonard)、フェリックス・トリニダード(Felix Trinidad)、レイ・マンシーニ(Ray Mancini)、グレッグ・ホーゲン(Greg Haugen)などの有名ボクサーとも対戦した。

 葬儀はプエルトリコで執り行なわれる可能性があるが、複数の親族は、カマチョ氏が人生の大半を過ごしたニューヨーク(New York)に埋葬したいと語っている。(c)AFP