【8月1日 AFP】キルギスの首都ビシケク(Bishkek)で7月29日、市民の不評を買っていた「自由の女神像」が撤去された。市中心部の広場にそびえる女神像は、国民の嫌われ者だった元大統領夫人に似ていると言われ嘲笑の的となっていた。

 この像は球体に座った女性の天使をかたどったもので、キルギスの伝統的なテント式家屋「ユルト」の天井部の装飾を高々と掲げている。2003年、旧ソビエト連邦時代からあったレーニン像に代わる市の象徴として建立された。

 しかし、建立時に政権の座にあったアスカル・アカエフ(Askar Akayev)大統領(当時)は、2005年の「チューリップ革命(Tulip Revolution)」で政権の座を追われ、マイラム(Mairam)夫人とともにロシアへ亡命。その後、女神像がマイラム夫人に不幸にも似ているとの評判が広まり、苦情が出ていた。

 マイラム夫人はアカエフ氏の在任中、同伴して公式の場に頻繁に登場し、強い影響力を行使しているとみられていた。

 像の撤去作業は早朝のうちに終わった。
 
 キルギスでは、中央アジア初の議会制民主主義への移行を目指し、10月に大統領選挙が行われる。(c)AFP